スペイン映画『インジブル・ゲスト』を観たので記録。
わ〜、これ面白かったです。
あらすじ
地位も名声も手にした実業家・ドリアがホテルの一室で愛人の死体とともに発見される。ドリアは無実を証明しようと弁護士・グッドマンと法廷出頭までの3時間で事件を洗い直す。グッドマンはドリアの嘘を見抜いており、過去にドリアが関わった事件をも掘り返そうとする。
法廷モノかと思って観てたら一切法廷シーンはなし。
現在と回顧シーンを往復するので最初は退屈な思いもしました。
でも段々と集中して観るようになり「ながら観」ができなくなるほどでした。
ここからネタバレ注意です。
冒頭ではドリアはただ無実だと主張しようとします。
「無実な人が無罪を勝ち取るストーリー」だろうと、片手間に見ていたらどんどん状況がかわってくるんですよ。
ドリアは過去におきた交通事故死を隠蔽したことで現在の殺人容疑をかけられるという事態に陥っているのです。
愛人と共に車に乗っており、よそ見してしまった時に鹿が飛び出してきてハンドルをきってしまう。
運悪く対向車に乗っていた青年は事故で死亡。
目撃者もいないので隠蔽してしまおうと愛人に言われ、不倫バレしたくないし失脚も嫌だしでそのハナシにのってしまった…。
という主張をします。
愛人が悪いんだよ、俺は流れにのっかっただけと。
でも映画がすすむにつれてドリアの性根が悪いのはダダ漏れになってきます。
そしてグッドマンの様子がおかしい。
ラストが近づくにつれて「この人、ドリアを裏切るんじゃ…?」と感じました。
でも仕事だから相手が法を犯していても弁護はするだろうし、うーん…と観続けると理由がわかります。
嘘つきが嘘を重ねていくので、どんどんストーリーが更新されていって混乱しがち。
嘘の上に真実をのっけてさらに嘘をつく? いや、真実で嘘をぬりつぶした?
何が正しくて何が嘘なのかいまいちわからなくなってきちゃうんですけど!
一番わからないのは、交通事故で死んでしまった青年は実は生きていて、車ごと湖に沈める前に俺がトドメをさしたと自白するシーンです。
青年が交通事故で亡くなったのなら、ドリアの罪は故意の殺人よりは軽いはずなんですよね。
事故で死んじゃったんだよ=過失致死だろうし、罰金だけで終わることもあるんじゃないかな。
グッドマンも「事故後に青年は生きていた」という疑惑はもっていなかったようなので、これを言い出すドリアの心理がわからない。
だってドリアは事故保身しか考えていないのに、自分の状況をさらに悪くするなんて、ねぇ。
時間があるときにもう1回観ておこうかな。
シーンの1つ1つに伏線があるし、間の意味もわかるかもしれない。
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